ハッピー・フロム・バリ
どんなところを旅しようと、僕が町で出会う人々の70%以上が、都会よりも田舎に住みたいと思っているというのは本当に興味深い。きっと僕たちの心のなかには、自然に還りたいという強い願望があるのだろう。そしてこの願望は、「ナチュラル・リズム」ともいうべき人間本来のメカニズムに由来するのだと思う。
「ナチュラル・リズム」とは、自然に対する願望というだけでなく、ハッピーな感覚を生みたいと感じるセンサーのようなもの。そしてそのセンサーがバリ島で暮らす人々にはしっかり備わっていると僕は感じた。バリ島滞在中、こんなことを閲いた。この島の人たちは、空間を3つの領域、すなわち神々、自然、人の世界に分類している、と。とてもシンプルに聞こえるが、神々と自然と人の世界、この3つの重要性をつねに認識しているからこそ、彼らは自分や家族、コミュニティのために、内的幸福と外的幸福を生みだすことができるのだろう。
バリ島の人々は幸福に満ちている。子どもたちはいつでも大きな声であいさつし、満面の笑みを浮かべてくれる。ガムラン音楽は聴いてすばらしいだけでなく、人々のからだ全体を落ち着かせ、安らかにする効果もある。食べ物は地元産の食材でヘルシーだし、スパイスは舌を刺激するばかりか、脳と身体の両方にメッセージを送る。こうしたことすべては、彼らが「ナチュラル・リズム」を守り、その感覚を大切にすることの重要性を意識しているからにほかならないと思う。
バリ島の人々を幸福にし、神々と自然と人という3つの世界を結びつけるもうひとつの要素、それは瞑想である。僕は子どものころからハイキングやウォーキングを楽しんでいるが、今回の旅で僕は不思議な体験をした。山を歩きなが.ら、瞑想状態に入っていたのだ。自然と自分、そしてこの土地の神々と一体となった感覚・・・。そう、僕は「ナチュラル・ハイ」になっていたのだ。
今回、初めてバリ島を訪れた僕から、読者のみなさんに一言。頭の中で「ナチュラル・リズム」が鳴りだしたら、とにかくバリへ行け!